やってしまった……。
床で伸びてしまっている来田西を見て、俺は頭を抱える。
来田西にあまりにも煽られてしまったからつい自分が満足行くまでしてしまった。その結果来田西は失神してしまい、あろうことか潮を吹いて床がびちゃびちゃになってしまった。俺はまず自分のモノについているゴムを取ってくくり、ティッシュにくるんでゴミ箱に捨てる。それからタオルを取ってきて床を拭く。ついでにティッシュを取って、いくつもの種類の液体がついてしまっている来田西の秘部をきれいにする。
そこまでして、ようやく来田西が目を覚ました。
「す、すみません。眠っちゃいました」
眠ったのか気絶したのか微妙なところだが。来田西は自分の股辺りを確認してなにやらホッとしている様子だった。
「良かった…漏らしてなかった……」
なにか聞こえた気がするが、聞かなかったことにする。言わないほうがいいこともあるだろう。
「早く着替えろよ」
「そ、そうですね。とっくに30分経ってますし…」
何の話かと思ったが、そういえば30分勉強すると言って、保健体育の勉強だからと襲われたのだった。来田西が脱ぎ捨てていたスカートとパンツを履いて、帰る準備をする。
「じゃあ、また明日も勉強しましょうね」
「……明日もしに来る気か?」
「あ、明日は普通の勉強です! テストで悪い点を取らないために勉強しないとでしょう?」
びっくりした。とんでもない淫乱女かと思った。いや、淫乱女には違いないか。
「まあ…勉強はしないとか……」
さすがにまた赤点を取るのは嫌だ。追試だの追加課題だの前の試験では面倒なことが多かったし。
「じゃあ明日からは普通に勉強を教えてくれよ」
「はい! 明日からみっちり教えます!」
みっちり教えられるのは嫌だなと思いつつ、帰ろうとしている来田西に冷蔵庫にあったルートビアを渡す。
「え、これは…?」
「好きな味だったんだろ? まだいっぱい余ってるからあげる」
それにさっきとんでもない量の水分を体外に排出してたから、水分不足で倒れられてもいけないし。ただ、来田西は微妙な笑顔を浮かべていた。
「あ、ありがとうございます。じゃあ、帰りますね」
「ああ、気を付けてな」
来田西を見送ると、汚れたタオルや服などを洗濯機に突っ込む。来田西が来る度に洗濯物が増えているような気がする。
まさか来田西があんな淫乱女だったとは、人は見た目によらないんだなと思う。クラスメイトの他の男にもああいうことをしているんだろうか。
まあ、勉強だけ教えてもらって、それ以外はあまりかかわらないようにしよう。俺はそう決めて洗濯機を回すのだった。
私はルートビアの缶を開けて、少しずつ飲みながら帰る。
やっぱり普段飲まない味でちょっと苦手だ。だけど、東くんからもらったものだから美味しさは3倍増しだ。
東くんの部屋からコンドームを見つけたときは気が動転してしまったが、それからまさか初体験を迎えてしまうとは。
しかし、東くんが過去に彼女がいたとは知らなかった。高校生になってからできた彼女なんだろうか、いつ別れたんだろうか。とても気になるが、それを東くんに聞いてもいいんだろうか。なぜか体の関係は持ってしまっているけれど、それほど仲良くなったとは感じないし、東くんにそういうことを聞いていいのかわからない。
それに、聞いてとっても楽しそうに元カノのことを話されたら、私が耐えられないかもしれない。
東くんともっと仲良くなるためには何をすればいいんだろうか。
「あれ、来田西さんじゃん」
声をかけられて振り返ると、そこには松井くんが立っていた。あまり話したことはないクラスの男子だが、確かいつも東くんと話していたはず。
「な、なんですか松井くん」
「いや、別に帰ってる途中に見かけたから話しかけただけだけど……」
松井くんがこちらを見てくる。やっぱり何か用があるんだろうか。
「…東んち行った?」
「え!? な、なんでわかったんですか!?」
松井くんが私の手に持っているものを指差す。
「ルートビア、あいつぐらいしか渡さないだろ」
「た、確かに……」
どれだけの量お土産でもらったんだろうか。
「あいつ、人に飲ませて自分は飲んでなかったんだよな。それマジで不思議な味だよな」
「そうですよね…」
もしかしたら、これはチャンスかも知れない。多分東くんと相当仲が良い松井くんに、東くんのことを聞けるのではないか。
「あの、東くんの付き合ってた人って知ってますか?」
松井くんがびっくりした顔でこちらを見た。